抜粋記事

【「仕事のヒントは“日本人とは何者か”にある」葛西敬之(プレジデント 9月30日抜粋)】

■「島」という地理が団結力を育んだ
世界の国々を、大陸、半島、島という3つに分けると、それぞれの持つ文明が地理的な特性に大きく影響されていることがわかります。
 四面を海に囲まれた日本には2つの特徴があります。1つは、大陸から流入してきたあらゆるものを許容し、「日本化」して残すことです。
ところが、大陸は「文明をつくるが興亡を繰り返す」という性格があります。陸続きで隣接する文明が存在するため、1つの文明が長続きしません。
 もう1つの特徴として、外からの脅威を受けたとき、国内が団結して対処することが挙げられます。
日本の平和や安全は海が守ってくれます。そのため、平時は、国内を治めることが最大の関心事となり、内向き志向になりがちです。
大陸は強い国がライバル国を制圧するという歴史を繰り返してきました。また、半島は大陸から圧力が加わると、「誰と同盟を結べば国を守れるのか」と考え、結果的に内部分裂します。ところが、平時には内向きで平和ボケに見える日本が、外からの脅威を受けたときには内部分裂せず、見事に団結して対処するのです。