読み終わって2

『空白の五マイル チベット、世界最大のツアンボー峡谷に挑む』角幡唯介

「ちゃんと生きる」
「どうせいつかはやらなければならないことなのだ。もしそえに成功したら、きっと私は自分の人生を少しだけ前進させることができるのだろう。」
「リスクがあるからこそ、冒険という行為のなか中には、生きている意味を感じさせてくれる瞬間が存在している。あらゆる人間のとっての最大の関心事は、自分は何のために生きているのか、いい人生とは何かという点に収斂される。いい人生とは何だろう。私たちは常に別々の方法論、アプローチで、それぞれに目的をかかげていい人生を希求してる、カネ、オンナ、権力、健康、ささやかな幸せ、心の平安、子供の健全な発育・・・・・、現実的には別々のかたちをとりつつも、本質的には求めているものは同じだ。いい人生。死が人間の最大のリスクなのは、そうした人生のすべてを奪ってしまうからだ。その死のリスクを覚悟してわざわざ危険な行為をしている冒険者は、命がすり切れそうなその瞬間の中にこそ生きることの象徴的な意味があることを嗅ぎ取っている。冒険とは生きることの全人類的な意味を説明しうる、極限的に単純化された図式なのではないだろうか。」
「二回の旅で得られた心の震えはこれ以上ないもので、同じような感動を体験することは、今後の人生ではもう起きないかもしれない。ツアンボー峡谷の旅を終えたことで、私は生きていくうえで最も大切な瞬間を永遠に失った、といえるのだ。」
「冒険は生きることの意味をささやきかける。だがささやくだけだ。答えまでは教えてくれない。」
「命をかけて取り組んだことを懐かしみ、郷愁にとらわれて同じ土地を踏むことほどみじめな旅はない。ジェヤン
写真は永久に私の手元に残るだろう。長い旅は終わったのだ。」
「無意味が人生に意味をもたらす時」

以上は、作品からの抜粋です。

自分にとっての【人生の意味】はなにか。【生きる目標】