読み終えて

『サイレント・ブレス』
「死を受容する五段階」
「否認」「怒り」「取引」「抑うつ」「受容」
すなわち、人が不治の病に直面したとき、最初は自分が死ぬのは嘘だと否認し、次になぜ自分が死ななければならないのかと怒り、さらに死なずにすむための取引を試み、やがてうちのめされて何もできなくなる段階を経て、最終的に死を受け入れるに至る心のプロセスを言う。
終末期の患者の多くは、人生の意味や価値を見失うことによる根源的な苦痛に見舞われる。臨床宗教師とは、こうした「魂の痛み」、すなはちスピリチュアル・ペインを和らげるために患者に寄り添う宗教家のこと・・・・・
仏教の教えには死への苦悩の対処として、まず「死に至る原因と闘う」段階があり、それが無理なら「死を受容する」段階へ移るという。さらにそれも困難なときは臨床宗教に導いてもらい、「受容できない自分を受容することによって真の心の安寧が得られると・・・・・
PEG、経皮内視鏡的胃瘻増設術
「・・・、在宅はキレイごとじゃない・・・」
「母と二人ががりで着せたばかりの寝間着を脱がせ、下着も取った。父の全身を何本ものタオルで拭く。ピンクシートと呼ばれる吸収シートを広げ、コースケの用意してくれたシャワーボトルに湯を入れて股間を洗い、新しいおむつを当てた。シーツを抜き取り、新しいものに交換する。見るまに大量の洗濯物が出た。」

家族のいない『一人身』は、『在宅』はどうすればよいのか・・・・・。